fc2ブログ
 
■プロフィール

アカデミックディベーター

Author:アカデミックディベーター
日当たりの良い某法科大学院を2009年3月に卒業。
ライフワークである競技ディベートについてぼちぼち書いています

■最近の記事
■最近のコメント
■カテゴリー
■月別アーカイブ

■最近のトラックバック
■ブロとも申請フォーム
■ブログ内検索

■RSSフィード
■リンク
近況と5月中旬以降の予告
また広告が出たので時効中断のためにちょっとだけ記事を書くことにします。

お気づきの方もおられるかもしれませんが、3月に無事法科大学院を卒業し、法務博士なる食えない学位をGetしました。5月に司法試験があるので現在最後の追い込みですが、勉強不足がたたりマーク式の試験が微妙な完成度のため、問題解いて条文を読むという不毛な日々です。

というわけでディベート関連で何か書く余裕はないのですが、5月の試験終了後にはとりあえず2つ書こうと思っている内容があるので、以下に簡単な予告を。

1.ディベート甲子園高校論題(一院制)の解題めいたもの
今年の高校論題解説は結構よく出来ていて、論題の概要を押さえるにはちょうどよいのですが、どうも今季の高校論題は取っ組みにくいようで、この前若手OBOGと話す機会があったときに「リサーチが難しい」などの声が聞かれました。

確かに、今季の一院制論題は「一院制」というキーワードそのものからリサーチを進めることができず、どういう問題がありうるかを自分たちで考えた上でそれに沿って具体的な話題を調べていくという創造的なリサーチが要求されるので、これまでよりリサーチも難しく、議論の組み立て方も思いつきにくいようです(特に否定側)。
なんというか、予備校の参考書を読んでも憲法の条文を音読しても何も出てこないわけで――皆さんは憲法の受験勉強をするものではありませんので、そういうことは入院患者などに任せましょう。まあ僕は入院中もそんなことはしませんでしたが――今季論題たる一院制について有意な議論をしたければ、どうして二院制という仕組みがあるのか、一院制になるとどうなるのかといった点を自分なりに考えなければなりません。

というわけで、試験が終わったら、主に「憲法が二院制という統治機構を置いている理由は何だろうか」という観点から、ちょっとした文章を書いてみるつもりです。その中では、「主権」という概念の多義性や、憲法典という決まりごとが何を守ろうとしているのか(憲法改正手続を取ることの意味、とかそういうことではありません)といった基本的な内容から、具体的に現在の二院制がどのように機能しているのかという点につき、標準的な入院患者が有している基本的な文献(図書館で借りられる)や誰でも参照できる最高裁判例などを素材に、いくつかのイメージを提供できればと思っています。
まあ、エセ法務博士の書く内容なのであれですけどね。

もっとも、上記解説は憲法的観点を主軸にしようと考えていますが、一院制について憲法学がストレートに関心を抱いているかというとそうでもない(現行憲法の解釈論にならないから)ので、皆さんがリサーチされる際には、むしろ政治過程論の領域に属する文献を読んでいくことが中心となるでしょう。僕の解説が役にたつとすれば、その際にどういう事実を探すことが有用なのかを考えるためのアイデアにつながるかもしれない…という限りのことです。

2.ルール運用例の評釈
僕は行っていないのですが、先日開催された関東春季大会において、細則Aに関する重要運用例があったようです。具体的には、届け出のあったステージが細則の規定に反する場合の処置についての判断らしいのですが、この点いろいろと考える余地があるので、解説として取り上げる予定です。


そんなところです。
最後に、僕の心のふるさとである東大弁論部のサイトが新しくなったので、リンクを紹介しておきます。まだ完成度は低めですが今後頑張ってくれると思います。東大に合格した(する予定の)ディベーターの皆様には是非入部など検討していただけると幸いです。最近はディベート甲子園出身者の部員もコンスタントにいて、ぐるめ兄弟などディベート系の人間も増えています。もちろん弁論も新感覚で刺激的ですよ!

*参考:弁論界OBOG組織の学生雄弁保存会デジタルアーカイブ
すごい煽りパンフが載ってますが、実際そういう側面もあります。少なくとも法曹資格だけで安泰という時代はないでしょう。もっとも、少なくとも東大弁論部に関しては、かかる訓練的動機のほか、好きなことを好きなだけ議論できる自由なサロン的要素と、(意外にも)まったり退廃的時間を過ごす語り場的要素があり、後二者もそれなりに魅力的だと思われます

ディベート関連一般 | 23:08:24 | トラックバック(0) | コメント(0)