愚留米の入院日記
日当たり良好の某法科大学院既習病棟を退院した法務博士の日記。しかし内容はほとんど趣味のディベートの話
2007年JDA秋季大会参戦記(1:参戦決定~練習試合で死亡)
今年はJDA秋季大会に出ることにしたのですが、その記録を大会後に書き始めると最後まで書かなくなりそうなので、記憶の新しい今のうちに参戦記を書き始めることにします。
というわけでルール解説はしばらくお休みの予定です。

今回は、参戦の経緯とリサーチ、そして先週の月曜に行った練習試合について取り上げます。久々にディベートをやるとこんなにダメになるんだということを感じ取っていただければというところです。


○ そうだ、JDAに出よう
不毛な入院生活に飽き飽きし、初の定期試験もゆるゆると過ぎていった9月ごろ、「そういえば最近ディベートやってないなぁ」と思い立ったのが直接の理由です。ディベートをやる人の動機の多くは日常の喪失感を埋めるためだったりするようなのですが(!)、今回は僕もその例に漏れなかったのかもしれません。
もう少しまともな(?)理由としては、今回の論題である死刑廃止が法律を学ぶものとして無視できないテーマである&入院生活のアドバンテージを活用できるものであること、今年の秋を逃すと来年から司法試験対策などをやらねばならないのでディベートをする機会がなくなってしまうこと、弁論部がいまいち盛り上がっていないようなのでここらで旗振り役が必要と考えられたことなどがあります。まぁ、ディベート狂にディベートをやる理由など必要ないのかもしれません。

大切なのはパートナーなわけですが、前に着床前診断&代理出産の論題で組んだ相手が誘ってくれたりもしたのですが、せっかくなので、大学でディベートをはじめた弟と組むことにしました。
兄弟でチームを組むことが効率的とも限らない(後々述べます)のですが、せっかく弟がディベートをやっているわけですし、一度一緒に出るのも面白いかなぁという感じでチーム結成を申し出てみたところ、一緒に出場ということに。
まぁ、弟も話している感じでは割とディベートを分かっているようで、経験値が低めとはいえ結構鋭く議論を見てるような気もするので、その点でも期待していたりします。

○ リサーチをはじめる
大会に出るにはリサーチだ、ということで、試験が終わった九月後半から何度か大学に行き、図書館で資料を集めることに。弁論部の同期に手伝ってもらったりしたおかげで結構な弾薬が集まりました。

入院患者は法学部図書館の書庫に入り放題という特典があり、書庫にある刑事政策の書籍や論文集(法律学者は古希などの記念に論文集(書籍)を出すのが通例で、お世話になった弟子や名を上げたい若手学者がこぞって寄稿する)を大量にコピーすることができました。おそらくは国会図書館の次くらいに法律書籍の品揃えがよい図書館を使い倒せるというのはありがたいかぎりです。ただ、論文を自分で返しに行かないと行けなかったり、コピー代がかかったりで、結局リストアップした分を総て入手できたというわけではありません。
その他、大学にはなかった論文を国会図書館に発注し、弾薬は一通りそろいました。リサーチの極意は金をかけることです。そんなに持ってるわけじゃありませんが(仕送りありがとう!)。

今回は書籍より論文を中心にしているのですが、それというのは論文だと必要部分がエッセンス的にまとまっているのと、(特に法律の)書籍は論文の焼き直しだったり転載だったりするからです。ディベート甲子園などでリサーチされる方も、早い段階から論文に手を出されると一歩進んだリサーチが可能になります。

さて、コピーが終わったら次は読解&打ち込みなのですが、読んで必要部分に印をつけるのはすぐ終わる(だいたい一般的な本で分速15~20頁くらいです。たまに精読しますが)ところ、それを打ち込むのはその何倍もの時間と労力を費やします。
というわけで弁論部の後輩などに分配して打ち込みをお願いしたのですが、十分に注意をしていなかったこともあり、出典が不適当なデータがあったりしました。このあたりはチームごとにテンプレートを作って打ち込み方法を統一するべきでした。
資料集に記載すべき出典についてはルール解説でも取り上げましたが、このあたりはきちんとしたいところです。

そんな感じで打ち込みを進め、入院生活がはじまってからも講義中に論文を読み進めたりしていました。そのような作業の甲斐あって、今年の大学新人大会で死刑論題をしていたこともあり、後輩がそのときに打ち込んでいた内容も合わせ、結構な量の資料がそろいました。だいたいA4で60枚以上といったところでしょうか。しかし議論を組んでみると痒いところには手が届かない…と。リサーチは根気が勝負というところで、不毛ではあるものの耐えていかなければならない局面です。

○ とりあえず議論を組んでみる
10月15日に弁論部で練習試合をやることになり、その前日に議論を組むという荒業を強いられてしまいました。まぁこれも僕の怠慢からきたわけですが。

というわけでエビデンスを見ながらまずは1AC(肯定側第一立論。ディベート甲子園の肯定側立論と同じと考えてよい)の原稿を作ることに。
詳しい議論の内容は今回は書きませんが、今大会に出場するに当たっての一つのテーマは「死刑について論じるべき点はできるかぎり論じる」ということで、ディベート戦略としては必ずしも正しくないのですが、死刑論として水準の高い議論をしようということを勝手に考えていました。
というわけで、単に冤罪がどうとかいうのではなく、それと死刑との関係付けをどう考えるかとか、相手の反論を踏まえて論じるべきことなどをいろいろ考えてみたところ、メリットに相当するものが3つ必要ということになりました。

そんなわけで議論を組んだところ、何と4000字をオーバーする超重量級のケースが完成することに。しかしこれが読めてしまうというのが恐ろしいところで、これも修練のたまもの(?)ということでしょう。
もちろん、これは全国教室ディベート連盟が推奨するものではないので、よい子は真似しないようにしましょう。もっとも、ディベートはコミュニケーション云々という話について言えば、僕個人としてはどうでもよくて、ディベートでは議論の中身が最も重要であり、水準の高いジャッジが十分理解できるレベルでギリギリのところを詰めていくのが正しい姿であると考えています。コミュニケーションを考慮しないと勝てない、というのは正しい側面もあるのですが、そういう論者はだいたい別の理由で負けてるというのが真相だと思います。

さて、上の記述は忘れてもらうとして、引き続いてケースのサポートを作成することに。再反論の原稿ですね。試合が近いのでここは割と適当に。
続いて否定側に回り、犯罪抑止力についてのデメリットを作成しました。2回立論形式では、2回の立論でデメリットを立てる戦略(いわゆる2コン)が主流でして、1回目の立論ではデメリットはギリギリ立証されている程度の骨組みだけ読み、残った時間はケースアタック(肯定側立論への反駁)に当てることになります。というわけで軽めの原稿を作成。

続いて第二立論での伸ばしを作るべきところだったのですが、月曜は二限から授業があることもあり、主要デメリットへの反論やケースアタックなど、残りの原稿を弟に任せて寝てしまいました。悪いことをしたなぁと反省してます。

○ 練習試合は散々
そんな状態で迎えた練習試合。相手は弁論部の後輩です。両方ともディベート甲子園出身者です。

我々は否定側ということでしたが、通常の冤罪ケースに対してふがいない議論を展開し、勝ちではあったのでしょうがダメな試合をしてしまいました。
久々にスピーチしたことや、ブリーフをきちんと作りこんでいなかったこともあり、準備時間を無駄に消費したことが原因の一つですが、根本的には攻撃防御方法をきちんと詰めていなかったことが問題とされるべき試合でした。

というわけで、かなりヤバイ状態からスタートすることになったのですが、大会本番までにはそれなりに戦える状況にしていきたいところです。


といったところです。
実はまだJDAからの案内が届いていない(申し込み&振込みは済んだ)のですが、それが届き次第、驚愕の(?)チーム名などと合わせて続きを書いてみることにします。
コメント
この記事へのコメント
すごいですね。
2008/02/20 (水) 22:09:15 | URL | 水本大貴 #-[ 編集]
>水本さん
どうもはじめまして。
たいしてすごいことをやっているわけではないのですが(こんなわけの分からないことを長々書いている暇っぷりは我ながらすごいと思うときもありますが)、何か思うところがあったようでしたら幸いです。
もしかしてディベートをされたことがあるのでしょうか?
2008/02/22 (金) 21:51:46 | URL | 愚留米@管理人 #-[ 編集]
はい、今高校でディベートをやっています。このサイトはためになります。
2008/02/28 (木) 16:43:11 | URL | 水本大貴 #-[ 編集]
そうですか。
ためになる内容を書こうとしているかというと必ずしもそうでない場合もあるのですが、そのように思っていただけているようでしたらうれしいです。

また何かございましたら遠慮なくお願いします。ディベート頑張ってくださいね。
2008/02/29 (金) 02:36:01 | URL | 愚留米@管理人 #tX1BiP8k[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2005 愚留米の入院日記 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.