愚留米の入院日記
日当たり良好の某法科大学院既習病棟を退院した法務博士の日記。しかし内容はほとんど趣味のディベートの話
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更新再開のお知らせ
どうも皆さまお久しぶりです。
昨日、平成22年度の新司法試験が終了しました。昨年の不合格発覚から8ヶ月少々、一応人並みには勉強して試験に望むことができました。例によって難しい試験ですので確実とはいえませんが、おそらく大丈夫ではないかと思っています。

昨年の試験結果は、合格基準点に1点未満(マーク1個分)という僅差で不合格という、何というか運命的なものでした。落ちた原因は基本事項をおろそかにしていたというもので、僕がこのブログでディベートについて中高生の方々にいつも苦言を呈していたにもかかわらず、自分が本業で怠っていたというお恥ずかしいことになっていました。
思えば高校入試からいくつかの受験を通り抜けてきましたが、昨年の不合格に至るまで、覚悟を持って試験に臨むという経験に欠けておりました。大学入試も特に自分を追い込んだわけでもないのにギリギリ合格してしまったし、ガラス棟入試も気が付いたら受かっていたという感じで新司法試験までたどりついてしまい、昨年撃沈したことにより、はじめて自分の弱さに気づくことができました。そういう意味でも、また、自分の周りに親や友人、ディベート関係者など支えてくれる大勢の方がいるのだということを実感できた意味でも、この8ヶ月は無駄ではなかったし、また無駄にしないように今後も励まなければいけないのだと感じております。
このブログにも、応援のメッセージを寄せてくれた方がおりました。もう大会は終わったと思いますが、今後もその経験を生かしていただきたいし、また機会があれば英語・日本語問わず、何らかの形で競技ディベートに興味を持っていただければ、いちディベーターとしてうれしいです。

さて、試験に関する話はこのくらいにしておきます。
とりあえずしばらくはのんびり過ごそうと思っているのですが、試験勉強でディベートから距離を置いていた間も、ディベートに対する熱意は続いておりますので、これからもいろいろと書いていきたいと考えております。
具体的には、以下のようなことを考えています。ところどころ攻撃的なのは、殺伐とした試験会場で問題を解いてきたためであるということでご容赦ください。

1.ディベート甲子園ルール解説の作成(改訂)
前に「ディベート甲子園判定手続法の概要」というテキストめいたものを作成していたのですが、内容をより充実させたいという思いが昨年からあり、不合格発覚前から少し改訂作業をしていました。これからしばらく時間が取れてしまうので(ニート博士なので…)、このテキストを改訂して公開できればと思っています。
ディベート甲子園のルール解説という形をとっていますが、今回は基本的なディベート理論についての解説も入れ込み、ディベート理論との関係でルールを理解しつつ、試合中に問題となる点について考えるきっかけになるよう編集したいと考えております。そのため、少なくない部分を加筆修正し、レイアウトも変更して編集することにしています。
公開は来月以降になると思いますが、甲子園ディベーター以外のディベーターにも、需要はともかく読んでいただいて意味のあるブツになる予定です。少なくとも、ルールがセオリーの唯一の源だとか言っておきながらルールの解釈を全くしないどこかのテキストよりは、ためになるものを公開できるはずです。

2.2010年JDA春季大会決勝の解説
試験勉強中に、JDA-MLでJDA春季大会(炭素税論題)の決勝スクリプトが流されていました。これを読んで思うところがあり、また後輩の便宜のために議論を批評したりしていたので(試験勉強中に何やってたんだという突っ込みは無しでお願いします。これは息抜きです)、それをここで公開してみようと思っています。
例年ならJDAのサイトにスクリプトが公開されるはずなのですが、サイト更新の遅滞というJDAによくある事情で未だ一般公開されていないので、公開を待って載せることにします。
なぜここで決勝の批評を公開するかというと、決勝の試合が炭素税論題という中高生にもなじみのあるテーマであったことから、それを題材にされた程度の水準の議論についてじっくり検討することで、選手にとっての便宜になるかと考えるからです。特に今回の決勝は、中高生ディベーターの皆さまにとって参考にすべき点だけでなく、検討することによって見えてくる問題点ないし課題もありますので、議論を批判的に検討する絶好の教材になると考えています。また、判定が割れて然るべき(実際割れている)試合ですから、自分なりに判定を考えることで、ジャッジのトレーニングにもなると思います。

3.ディベート甲子園高校論題についての検討
今年のディベート甲子園論題は中学がペット売買禁止、高校が積極的安楽死の法制化です。このうち、高校論題については、典型論題のひとつとはいえ、難しい問題を含んでいますので、検討の余地があります。
NADEのサイトでは、新しく論題解説(青木論題検討委員執筆)が公開されており、自己決定権概念を中心とした解説が試みられています。しかし、この解説には、今期展開すべき論題との関係でも、また法理論的(笑)にも、十分検討されていない点があると感じています。そこで、予定されている検討においては、積極的安楽死という場面で自己決定権がそもそも機能しうるのかという問題について考えた上で、自己決定権について判示した最高裁判例を素材として、自己決定権に基づく自死を認める余地があるか――それは「自己決定権を認める」こととは異なる――ということについて、具体的に検討してみたいと考えています。
この検討は、地区大会が近いであろうことに鑑みて、早いうちにできればとは思っています。ただ、現在ここを見ている選手がどれだけいるのかという疑問はありますが。
*関連して高校生ディベーターの皆さんにコメントさせていただくと、議論作成の前提であるリサーチを怠らないようにしてください。オンラインディベートの議論をざっと見ましたが、議論の内容はともかく、資料が古いように思われます。まだ整理し切れてないというなら仕方ないですが、最新の書籍・論文にも手を伸ばさなければ、納得行く議論にはなかなか近づかないでしょう(特に医療技術の問題など)。NII論文検索ナビゲータで検索するだけで大量にヒットしますから、時間と金の許す限りリサーチすることが勝利への近道です。お金は親や先生に頼み込んで何とかしましょう。また、(優先度は高くないでしょうが)法律の観点からの文献については、例えば刑法学が専門の井田良先生なんかの論文や著書を参考に、そこにあがっている参考文献を読むとよろしいでしょう。僕もちゃんと目を通してるわけではないのですが…

4.NADEルール解説連載に関連しての検討
3月から、試合運営委員会がディベート甲子園ルールに関する解説の連載が公開されています。読めば分かると思いますが、試験対策のため僕が委員を休職したため、ルール担当の中の人は僕の大学の後輩に変わっているので、彼が執筆しています。コンセプトが初心者向けなので、分かりやすさを重視し、内容は初歩的なものにとどまっており網羅的ではありません。
そこで、連載で触れられていない内容について補足的に解説しつつ、関連問題について「事例で学ぶディベートのルール」の延長として検討しようと考えています。

5.ディベート理論についてのケースブックの作成
これは完全なオマケですが、ディベート理論について事例を通じて考える問題集みたいなものがあれば、もっと身近に現実的なディベート理論を考えることができるのではないかと思い、少しだけケースブックを作っていました。これを完成させて公開できればとは思っていますが、事例・設問の設定や解説の執筆で相当に労を要するので、いつできるかは分かりません。誰も待ってないとは思いますが、あまり期待しないでください。
一応扱う項目は挙がっていて、18~20事例を通じて、ディベート理論として議論される代表的な論点&僕の固有の問題意識について、一通り触れることができる予定です。これは趣味的に細々とやれればと思っています。


そんなところです。その他、考えたことなどをディベート関連を中心に書くことがあると思います。興味のある方がいらっしゃったら、読んでいただければ幸いです。あと、もし何か要望などあれば、ディベート絡みの事項とロースクール進学に関する進路相談(笑)であればお応えできると思います。
というわけで、またよろしくお願いします。
コメント
この記事へのコメント
お疲れ様です。
長らくの抑圧を一気に開放するような感じですね(笑)
その勢いで委員会の方も何か手伝ってもらえると嬉しいのですが…。
2010/05/17 (月) 21:59:01 | URL | 委員長 #11M5mlqY[ 編集]
ご無沙汰しております
こんなところまでチェックされているとは…。

会議に出席できませんので討議を要する事項には関われませんが、それ以外の仕事であればいくらか可能かと思います。引越しに伴って旧アドレスが死んでしまいましたので、メール欄の通りにMLの送信先を変えていただければ幸いです。
2010/05/17 (月) 23:20:17 | URL | 愚留米@管理人 #tX1BiP8k[ 編集]
お帰りなさい。
再開を心待ちにしてました(半分本当)。
クリアな論考を楽しみにしてます。
2010/05/18 (火) 07:47:50 | URL | イクトス #dXiLrgjE[ 編集]
何とか帰ってまいりました
>イクトスさま

どうもありがとうございます。
半分というのが気にならないでもありませんが、何かしら意義のあることを書ければと思っております。お暇がありましたらご覧ください。

ただ、しばらく別の用事がありますので、書き出すのはもう少ししてからになりそうです。
2010/05/20 (木) 23:58:00 | URL | 愚留米@管理人 #tX1BiP8k[ 編集]
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